奈良公園は、鹿がのんびり歩く広い公園です。その中と周りに、東大寺、春日大社、興福寺といった大きな社寺が集まっています。観光で訪ねる方がとても多く、せっかくなら御朱印もいただきたい、という声もよく聞きます。この記事では、奈良公園の周辺を歩いて回るときの順番の考え方や、持ち物の工夫、モデルコースをご紹介します。
奈良県全体の回り方は、奈良の御朱印巡りの記事でまとめています。こちらの記事は、その中でも「奈良公園に行く日に、歩いて回れる範囲」に絞った内容です。社寺の場所を地図で確かめたいときは、奈良県の御朱印マップや、奈良市の御朱印一覧をご覧ください。
奈良公園周辺で回れる主な社寺
公園の周りには、性格の違う社寺が近い距離で並んでいます。大仏で知られる東大寺、森の奥にある春日大社、五重塔のある興福寺が、まず思い浮かぶ三つです。
東大寺の境内の奥には、手向山八幡宮があります。東大寺の近くに氷室神社もあり、大きな社寺の合間に立ち寄りやすい神社です。少し足をのばすと、旧市街のならまち側に元興寺、公園の東南側に新薬師寺があります。大きな社寺だけでなく、こうした小さめの社寺を一つ加えると、旅の印象がぐっと深まります。
| 社寺 | 性格 | 回るときのひとこと |
|---|---|---|
| 東大寺 | 大きな寺院。境内が広い | 時間に余裕をもって、最初か中盤に |
| 手向山八幡宮 | 東大寺の境内の奥にある神社 | 東大寺とセットで歩くと効率的 |
| 氷室神社 | 公園の北側にある、街なか寄りの神社 | 東大寺の近くで立ち寄りやすい |
| 春日大社 | 森の中の参道が長い神社 | 歩く距離が長いので体力のあるうちに |
| 興福寺 | 駅から近い、五重塔のある寺院 | 駅に近いので、始まりか終わりに向く |
| 元興寺 | 旧市街(ならまち)側にある寺院 | 公園の後に、街歩きとあわせて |
| 新薬師寺 | 公園の東南側の、落ち着いた寺院 | 余力があるときの足しにする |
奈良公園周辺の主な社寺と性格の目安
歩く順番の考え方
奈良公園の周辺は、東西にも南北にも広がっています。近鉄奈良駅からは歩いてすぐに公園へ入れますが、東大寺や春日大社までは、それなりの距離があります。順番を決めるコツは、次の三つです。
- 1.駅から遠い社寺を先にまわり、帰りに駅へ近づく並びにする
- 2.坂や長い参道がある社寺は、体力のあるうちに入れる
- 3.足をのばす社寺(新薬師寺・元興寺)は、時間と体力に応じて最後に決める
近鉄奈良駅から歩き始める場合は、興福寺を最初に回ると入りやすいです。そのあと東へ進み、東大寺、手向山八幡宮、春日大社の順に歩き、帰りは同じ道を戻りながら、時間があればならまちへ入る流れが組みやすいです。JR奈良駅から歩く場合は、駅から公園までやや距離があるので、バスや徒歩の使い分けを前もって考えておくと安心です。
✦ いちばん遠い所を先に決める
東大寺と春日大社は公園の奥側にあり、歩く距離がいちばん長くなります。「この二つは必ず」と決めてから、残りを足していくと、時間が足りなくなっても慌てません。
歩くときの注意(坂・広さ・鹿)
公園の周辺は平らに見えても、なだらかな坂や長い砂利道が続きます。社寺の境内も広く、御朱印をいただく場所までの距離が思ったより長いこともあります。歩きやすい靴で出かけ、こまめに休める計画にしておくと、後半まで楽しく歩けます。
公園には鹿がたくさんいて、人に慣れています。ただ、野生の動物です。食べ物の包み紙や、紙でできたものに興味を示すことがあります。近づきすぎず、鹿せんべいの扱いにも気を配って、無理に触ろうとしないでください。立て札などの案内があれば、それに従ってください。
御朱印帳を鹿と雨から守る工夫
- 御朱印帳は、手に持ち歩かずにバッグの中へしまう
- 鹿に近づくときは、御朱印帳の入ったバッグを体の前側に抱える
- ビニールの袋やカバーを用意して、雨や汗から守る
- いただいたあとの墨は、乾くまでページを閉じないよう気をつける
- 書き置き(紙)の御朱印をいただいたときは、ファイルや袋に入れて持ち歩く
持ち物の考え方は、御朱印巡りの持ち物の記事に詳しくまとめています。奈良公園の日は、雨具、水分、折りたたみの袋を足しておくと安心です。
半日コースの例(約3〜4時間)
午前中だけ、または午後だけで回りたい方向けの例です。所要時間は、あくまで目安です。
- 1.近鉄奈良駅から歩いて、興福寺へ
- 2.公園を東へ歩き、東大寺へ
- 3.東大寺の奥にある、手向山八幡宮へ
- 4.時間と体力に余裕があれば、春日大社へ(無理なら次回に)
- 5.駅へ戻る道すがら、昼食や休憩をとる
半日なら、無理に欲張らず、2〜3カ所に絞るのがおすすめです。大きな社寺は、境内を歩くだけで時間がかかります。
1日コースの例
ゆっくり歩ける1日の例です。社寺の受付の終了が早いこともあるため、後半の社寺ほど早めに着く計画にしておくと安心です。
- 1.午前:近鉄奈良駅から、興福寺と東大寺を回る
- 2.手向山八幡宮、氷室神社を、散策の合間に訪ねる
- 3.昼食と休憩(公園周辺は混み合う時間帯があるので、早めか遅めに)
- 4.午後:春日大社の参道をゆっくり歩く
- 5.夕方の手前に、新薬師寺、または元興寺へ
受付の時間は社寺ごとに異なり、行事などで変わる日もあります。出かける前に、各社寺の公式情報で確かめてください。受付時間の考え方は、御朱印の受付時間の記事でまとめています。
ならまちとの組み合わせ方
公園から南西へ歩くと、古い町家が残るならまちに入ります。元興寺はこの一角にあり、街歩きとあわせて訪ねやすい寺院です。近くには、十輪院や、率川神社なども点在しています。
公園の社寺を歩いたあと、ならまちで休憩しながら一カ所を足す流れは、疲れにくい組み方です。反対に、先にならまちを回ってから公園に入ると、午後に長い距離を歩くことになります。体力に合わせて、順番を選んでみてください。
混雑しやすい時期の考え方
奈良公園は、桜や紅葉の季節、大型連休、行事のある日などに、とても混み合います。そうした日は、社寺の入口や御朱印の受付にも人が並びやすくなります。待つ時間を見込んで、予定を詰めすぎないことが大切です。
- 朝の早い時間に、いちばん人気の社寺へ入る
- 人気の社寺は、昼どきを避ける
- 行事の日は、境内に入れる範囲や受付の場所が変わることがある
- 混む日は、回る数を一つか二つ減らす
どうしても混む時期に行くなら、公園の周辺は半日に絞り、残りは別の日に回す手もあります。行き先を選ぶ考え方は、御朱印巡りのルートの組み方の記事も参考になります。気になる社寺が近くにあるか探したいときは、近くの御朱印の探し方の記事もご覧ください。
✦ 出かける前に公式情報の確認を
受付の時間や、いただける御朱印の種類は、社寺や日によって変わります。限定の御朱印や行事の日程も同じです。出かける前に、各社寺の公式情報で確かめておくと安心です。御朱印の相場は、300〜500円が一般的です。小銭を多めに用意しておきましょう。

